2015年3月31日火曜日

講演会 発達障害と児童虐待~生きづらさを抱えた子どもたちに寄り添う~

 3月29日(日) 栃木市民活動推進センターで行われた講演会に行ってきました。
 講師は専門里親で、自立援助ホーム「マルコの家」の小田和枝さんでした。
(自立援助ホームとは、虐待防止サポーター養成講座のところで書いた星の家と同じ、義務教育終了後15歳から20歳までの家庭がない児童や、家庭にいることができない児童が入所して、自立を目指す家のことです。)

 児童虐待の件数は増え続けています。
 虐待を受ける子どもの中には、発達障害を抱える子どもも少なくないといいます。
 発達障害の特徴である、よく泣く、抱かれるのを嫌がる、癇癪を起こす、アレルギーなど「扱いづらさ」から、虐待に至ってしまうケースが多いとのこと。子どもに罪はないけれど、そういう子どもを授かったお母さんにも罪はない。けれども、周囲に理解がないと「親の育て方が悪い」といわれ、お母さんはますます追い詰められてしまいます。
 親子への支援はもちろん、社会でも発達障害や児童虐待について正しく理解されることが求められています。
 私たちチャイルドラインも、こういった分野へも理解を深めていきたいと思います。


バス広告 続報

 先日このブログでお知らせしたチャイルドラインとちぎのバス広告について。

 この広告が掲載されたバスは、宇都宮経由と駒生経由の2系統、20台です。
 バス通学をしている高校生たちに、チャイルドラインのこと、特に3月から金曜日は夜11時まで開設されることになったことを知ってもらうことを目的に、掲載させていただいています。

 (ちなみに、この広告の目撃者となった仲間は、文化会館西口から13時に宇都宮行きに乗車したそうです。たまたま・・・かもしれませんが。)

2015年3月30日月曜日

蔵の街うたごえ喫茶   県南だより(2)

3月28日(土) 栃木市商工会議所で行われた第22回「蔵の街 うたごえ喫茶」に参加してきました。
団塊の世代でもない私がなぜそのような場へ足を運んだかというと、実行委員を務める栃木市在住の知人が、「楽しいよ」と誘ってくれたからです。
今回歌ったのは昭和30年代の歌謡曲や40年代のフォークソングを中心に、文部省唱歌や民謡など20曲。知らない歌も多かったですが、雰囲気でなんとなく乗れてしまうから不思議です。
そもそもここでは、上手に歌う必要なんかありません。歌うことが好き、歌いたいから歌う、それでいいのです。また、同じ歌を大勢で歌うという雰囲気のせいか、知らない人同士でも気軽に声を掛け合える、そういうところが楽しいのでしょう。立ち見が出るほどの大盛況でした。





参加費300円で歌集とお茶が配られます。
この日の第1曲めは、滝廉太郎の「花」、そして次の曲が「さくらさくら」でした。

 そういえば、栃木市では、年4回のうたごえ喫茶のほかにも、秋には大きな音楽祭が開催されたり、数年前には「心に太陽を持て」という市民ミュージカルも上演されました。・・・そう、音楽が盛んなのですね。
 聞いた話なので信憑性は定かではありませんが、一説によると、そのきっかけのひとつが、栃木市出身の文豪・山本有三が、ツェザーレ・フライシュレン(ドイツの詩人)の「心に太陽を持て」という詩を翻訳したことにある、と言われているそうです。この詩の中に「くちびるに歌を持て」というフレーズが出てくるのです。

苦しんでいる人   なやんでいる人には   こうはげましてやろう
勇気を失うな   くちびるに歌を持て   心に太陽を持て



栃木駅構内に掲げられた「心に太陽を持て」の碑

ところで、皆さんには好きな歌を歌うと(あるいは、聴くと)、心が癒される、元気になれる、勇気が湧いてくる・・・といった経験がありませんか? 歌にはそんな不思議な力がありますね。
 これもひとつのエンパワーメント。
 自分の好きな歌と出会えた人は、幸せだと思います。 

2015年3月29日日曜日

大川小学校

宮城県石巻市の大川小学校跡地を訪れました。
チャイルドラインとちぎ有志は何度か被災地を訪れ、泥だしボランティアなどに参加してまいりました。

今でも多くではありませんが物品、資金寄付等をさせていただいております。


たくさんの子どもたち、先生が命を落としました。





津波の傷跡を残す校舎からはもちろん子どもの声は聞こえてきません。
ただただ静かに佇んでいます。

北上川の傍に建つ瀟洒な校舎。河口から5キロ上流に位置し、市の避難場所にも指定されていたとあって近所の方も避難してきていたという。

校長先生が外出中で不在の中、ガラスが散乱し危険な校舎から校庭に避難し、第二次の避難場所について先生たちは検討されていたそうです。校庭から直接は北上川が見えない立地です。
 避難までの決定の時間、判断について様々な意見、批判が持たれていることは皆様ご存じのことと思います。


 少し離れた高台に避難する途中、多くの児童たちが北上川を遡上する濁流に飲み込まれ、後方にいて向きをかえこの裏山を駆け上った数人の子どもと教員だけが助かりました。

 緊急時の判断の難しさ。
 想定外という言葉の虚しさを痛ましい形で今も伝える大川小学校。

 心からご冥福を祈ります。                           
理事長 松江  3月28日(土)



3月の理事会

 3月24日(火)、夜7時から事務所にて3月の理事会が行われました。

 年度末で皆さん忙しいのでしょうか、この日の出席者は6名でした。ちょっとさびしいな~と思いきや、人数の多少にかかわらずいつも通りの活気あふれる会議となり、あっという間に予定の2時間が過ぎてしまいました。
 これから暖かくなってくると、野外でのイベントの機会が増えてきます。
 とちぎ主催のゴルフコンペや受け手養成講座なども予定されています。通常の電話活動もシフトに穴を空けないように、お互いに協力し合って調整します。
 相変わらず話し合うことはたくさんあります。
 そんな中、突然「ツィッターをやろう!」なんていう提案が飛び出して、でも、「うん、やってみよう!」とシッカリ対応してしまう柔軟性が、またすごいところです。

 そんなわけで、チャイルドラインとちぎでもツィッターを始めることになりました。ツィッターの良さのひとつは、即時性でしょう。情報発信のツールとして役立つことを願っています。



まぼろしの苺 ”とちひめ”のジャム
(今夜の差し入れのひとつ 他にもたくさんありました)

なぜ”とちひめ”がまぼろしなのか、それは・・・
果肉が柔らかすぎて輸送できないので、スーパーなどの店頭には並ばない。
つまり、生産者直売でないと手に入れられないのです。

2015年3月17日火曜日

車内広告掲載

なんと!チャイルドラインがバスデビューしてしまいました。

宇都宮市内を走る「関東バス」に、チャイルドラインの広告が掲載されたのです。



県内すべての学校にこの電話番号が書かれたカードの配布は心がけていますが、バスに乗った子どもたちがこの広告に気づいてくれること、そして、子どもたちの役に立つことを願っています。

支援センターの長い会議

 理事長の松江です。昨年からチャイルドライン支援センターの理事も務めております。
支援センターは中期目標として
1、子どもが必要としているヘルプラインとして機能する
2、いつでもつながる電話をめざす
3、電話以外のツールを模索する
4、すべての子どもが知っている状態をめざす
5、子どもの参加を進める
6、社会活動としてのアドヴォカシーを促進する
以上6点を掲げております。その実現のため、10名の理事は、チャイルドライン事業、調査研究事業、アドヴォカシー事業の3事業部に所属を分けて活動しております。私はチャイルドライン事業と調査研究事業に属し、それぞれ商標管理とアウトリーチプロジェクト(子どもたち向けの出前講座プログラムの作成)が担当。

代表理事、専務理事、常務理事になるとまた会議が増えますが、理事会の他、上記の会議を持つとなると理事が全国各地から集まるので、せっかくだからできるだけいろいろやっちゃおう!ということになり、必然的に盛りだくさんの長い会議や研修となるわけです・・。


2015/3/1314も泊りがけでアウトリーチPTと勉強会(チャイルドラインのあゆみと、子どもの権利条約について)そして理事会・・ここでさまざまな担当事業の説明、全国エリアの活動確認、そして今年度の活動方針などを話し合いました。




資料もたくさん!

全国70か所以上でフリーダイヤルで子どもの声を受け止める私たち。どこに電話がかかっても同じように子どもたちから信頼を得る受け方ができなければなりません。そして、いつでもつながる電話でありたい。
やらなければならないことは実にたくさんあるのでした。チャイルドラインとちぎ共々、支援センターも応援してくださいね。

平成27年度 年次総会

3月8日(日)、宇都宮市コミュニティセンターにて、平成27年度定期総会が開催されました。

今年は、来賓のご招待も抱き合わせの講演会もなく、仲間のみのささやかな会となりました。というわけで、特に問題もなく総会は1時間で終了しました。

引き続き、同じ会場で茶話会となりました。日ごろは同じシフト(チャイルドラインとちぎでは、当番の日にちと時間帯は年間で固定)に入る以外は、研修くらいしか顔を合せる機会がない仲間たち。そこで仲間同士の親睦の意味を込め、茶話会が企画されたというわけです。

さて、茶話会につきもののお茶請けですが、これについては特筆せねばなりません。
お茶請けとして出されたものは、定番のクッキーやおかきに仲間お手製のお漬物、おしるこ、そして天然酵母を使ったたくさんのパンでした。
実は、チャイルドラインとちぎには、パンが大好きで自分のお店をオープンしたというプロのパン職人(女性)がいるのです。抹茶と桜の和風のパンやワッフル、コーヒー味のフワフワのパン、チーズ入りの甘くないパン、サクッとしたレーズン入りのバゲット、大きな丸いパンをくり抜きその中にサンドイッチを詰めたもの…など、選ぶのも楽しく、たくさんの種類をちょっとづついただけて、まるでパン・バイキングのよう。

ほんの一部です。
もっと撮っておけばよかった(T_T)

人が笑顔になれるような美味しいものを自分の手で生み出せる、というのはすごいことです。もちろん、お漬物もおしるこも!!どれも美味しく感激でした。

こうして美味しいお茶請けをいただきながら、今日までの活動を振り返りつつ、未来に希望をはせながらのしばしの歓談タイム、そして、恒例の近況報告。
皆さん、それぞれの1年がありました。中にはおめでたい報告を聞ける仲間もいて…。

総会というと1年で1番重要な行事、大がかりで身構えてしまうもの、という感じですが、こういう年があってもいいなあと思った今年度のスタートの日でした。

講座の後のティータイム

(前の記事から続く)

こうして、身の引き締まる思いで拝聴したサポーター養成講座は、無事終了しました。
でも、私たちにはまだちょっと続きがあります。

実は、「星の家」と私たちチャイルドラインとちぎとはちょっとした協力関係にあります。
とちぎ虐待防止ネットワークの構成団体として、また、お互いに宇都宮子ども劇場との縁があり、講師の星美帆さんとは長いお付き合いが続いています。

そこで講演会終了後、美帆さんを交えてお茶をしに行きました。
わが事務局長が小山市内の数あるカフェの中から選んだそのお店は、パンケーキやロコモコ、スパムおにぎり、タコライスなどのメニューがあり、雰囲気もハワイアンテイストです。この日はあいにく天気が悪かったのですが、晴れていればテラス席が気持ちよかったことでしょう。

まずは、美帆さん、お疲れ様でした。そして、よいお話をありがとうございます。

バナナとキャラメルソースのパンケーキ、とろけるイチゴのパンケーキ、アサイーボウルを6人でシェアして、ホッとひといき。ガールズトークも飛び出すリラックスタイムです。
そんなとき、誰かの声が…。

”頭を使うと疲れる! 頭を使った後は甘いものが美味しい!”

同感です。

虐待防止サポーター養成講座

3月7日(土) 小山市健康福祉センターで「虐待防止サポーター養成講座」が行われました。
これは、子ども虐待防止を目指して活動している小山市の市民グループ「カンガルーおやま」主催の講演会です。チャイルドラインとちぎからは5人が参加しました。

テーマは「月の家」の子どもたち。
講師は、自立援助ホーム「星の家」(青少年の自立を支える会)の星美帆さん。

自立援助ホームとは、義務教育終了後15歳から20歳までの家庭がない児童や、家庭にいることができない児童が入所して、自立を目指す家のことです。
そして「月の家」とは、自立援助ホームが対象とする年齢より下の、貧困やネグレクト、家庭崩壊のために家庭に居場所がない子どもたちの、食事やお風呂付き学童保育のような子どもの居場所(施設)です。
なぜ「月の家」が開設されたのか、「月の家」の取り組みや「月の家」にやってくる子どもたちについてのお話しがあり、あまり知られていない、過酷な環境にある子どもたちの現実を知る、大切な機会になったと思います。
特に心に残ったのが、「子どもの支援をすることは、実は親御さんを支援すること。そして、月の家にお子さんを出して(利用させて)くれる親御さんに、ありがとうを言いたい。」
という言葉でした。(親御さんとの信頼関係を築くのもたいへんだそうです。)

実は、この講演会に出席したからといって、「サポーター」という特別な資格がもらえるわけではありません。私たち市民ひとりひとりが虐待防止に理解を深め、身近なところから支援を始めよう、もし身近で虐待があったらそれに気づき、虐待のない社会にしていこう、という意図があるのではないでしょうか。
サポーターという言葉で思い出されるのがJリーグ、サッカーチームのサポーターですが、それにも特別な資格なんてないですものね。試合(選手)を応援すれば、それでもう立派なサポーターです。


毎年開催されるこの講演会、いつも会場となる研修室のそれぞれの席には、お茶とちょっとしたお菓子(今年はチョコレートとバウムクーヘン)が置かれています。虐待と言う深刻な問題を取り上げているだけに、ちょっとした心遣いがうれしいです。

マクロビオテックレストランで腹ごしらえ

話は前後しますが、前の記事と同日のこと。
ハードになるかも知れない午後の研修に備えて、研修会場の近くにあるマクロビオティックレストランでランチをしました。

マクロビオテックとは、「自然農法、有機農法による、人工調味料や動物性の食品は使わない、いたって健康的な食生活法」ということだそうです。

木のぬくもりあふれるダイニングテーブルでいただいたこの日のランチは、

     ・玄米ご飯
     ・蓮根のつまみあげ
     ・肉じゃがの肉の代わりにひよこまめが入ったようなやさしい味付けの煮物
     ・根菜のカレーマリネ
     ・漬物
     ・タマネギとワカメの味噌汁

という献立です。
いずれも素材の味を生かした、しっかりした歯ごたえの感じられるおいしさでした。

食後にいただいたタンポポならぬ穀物コーヒーは、香りはコーヒーなのですが、ライトな味わいという珍しいものでした。




ところで、なぜこのレストランのことを知ったかというと、ズバリ!仲間の口コミです。チャイルドラインとちぎには、美味しいお店に関しては超高感度アンテナの持ち主の仲間がいるのです。

おかげさまで、エネルギーレベルがUPしたことはいうまでもありません。
鋭気を養い、いざ、研修へ!・・・ということでひとつ前の記事に戻ります。

電話相談員研修会

3月4日(水)午後、宇都宮市の精神保健福祉センターで電話相談員研修会が行われました。

毎年この時期に行われているこの研修は、宇都宮市と近郊で、さまざまな分野、所属で電話相談に携わっている人を対象としています
チャイルドラインとちぎからは、4人が参加しました。

今回の講師は、作新学院小学校教諭で日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事の八島禎宏さん。
テーマは、「電話相談で私たちは誰に何をしているのか」~相談者の背景を心の眼で見る~でした。

①電話相談の特性、②コーラーと相談員の関係性、③今後の問題、④人間関係論の4項目を順を追っての講義により、相談にあたる際の基本的な理論を勉強することができました。
この研修で初めて知ったのが、④で紹介されたスカルプチャーという技法です。

スカルプチャー(Sculpture)とは彫刻という意味ですが、彫刻のように、自分の問題とかかわりのある人たちの心の距離、実際の距離など、あるいは時空間的な位置関係を、実際に人を配置することにより、具体的なイメージを得たり、実感を持つことへのに助けにしよう、というものだったと思います。
これがサブタイトルの「背景を心の眼で」につながるのでしょう(と、思いました)。

私たちは、日々勉強です。よいと思えることは、実践で生かしていきたいものです。

2015年3月3日火曜日

あそ雛まつり   県南だより(1)

今日は3月3日、女の子の健やかな成長を願う伝統行事「雛まつり」の日です。五節句の一つで、弥生の節句などの別名があります。雛人形を飾り、雛あられ、菱餅や白酒で祝うお宅も多いでしょう。
(そういえば小学校の頃、給食に散らし寿司と雛あられが出たことを思い出しました。)

またこの時期、家庭はもとより観光イベントとして、各地で「雛祭り」が開催されています。
県南の中心都市のひとつ、栃木市でも町をあげての盛大なイベント「あそ雛まつり」が毎年開催され、今年で8回目を迎えました。
今年は先月18日から今日3月3日まで、蔵の町大通りを中心に、雛人形の展示はもとより、クイズラリーや流しびな、コンサート、着物の装い体験、ひな祭り限定いちごスィーツの販売など盛りだくさんのイベントが行われました。


この「あそ雛まつり」、残念ながら今年は今日で閉幕ですが、きっと来年も開催されることでしょう。こういったイベントの情報は栃木市観光協会などのホームページで見ることができますので、関心のある方はぜひご覧になってくださいね。